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狙い通りか偶然か、アート楽しむ仕組みバッチリ『大野芸術祭』|愛知県常滑市

大野芸術祭とは

2024年3月16日~24日愛知県常滑市大野町で行われているアートイベント『大野芸術祭』

今回が第1回目にあたる開催で絵画、立体造形、イラストレーション、写真、ワークショップなど13組のアーティストの作品が10か所の古民家や空き店舗で展開。各会場の入場は無料

アクセス

●電車―名鉄「大野町駅」下車 ●自動車―コインパーキング60分100円など

大野町とは

江戸時代には「大野湊(おおのみなと)」と呼ばれ栄えた港町。当時は川岸に米倉が並び、尾張藩の海運関係の役所も置かれていたとのこと。今でも築百年以上の古い家並みが残っている

 

大野芸術祭の様子

ロクノゴジュウナナ

「ロクノゴジュウナナ」は、ひとのうごき、かかわり、おもいをうみだす活動を目的に開かれたレンタルスペースで、今回のイベントの本部的な場所になっていた

torisum

作家は半田市出身で、同じ出身の作家・新美南吉の物語を基にしたイラストレーション作品が展示。暖かい色合いに丸みあるフォルムで、見ていて優しい気分になれた。今回の絵のテーマになっているのは「嘘」という物語。今度読んでみようと思った

 

ロクノゴジュウナナ西

ロクノゴジュウナナのすぐ向かいの古民家

カマガノゾミ

会場にいた作家に話を聴いたところ、一筆描いてから次の一筆まで、長い間をおいて再イメージや構築をするそう。なので筆を入れている時間は長くはないけど、完成には何日もかかっているらしい。感性と理詰めの長考作業がなんとなく”将棋”っぽいと感じた

大久保拓弥

2階部分3部屋での展示。築200年というこの建物の時間や、今の時間を表現した作品

いくつもの白く映し出されたモニターと鏡が設置。そのモニターを鏡に反射させると映像が見られる仕組み

 

旧はっぴいわんひろば

これはこの空き店舗に元々あったものなのか、作品なのか

 

旧中村医院

松田菜優子

立派な玄関に大きな絵画の存在感がマッチ

 

喫茶ゆるーむ

この日はお店自体が休業日のため展示も休業

中を覗いた感じ、アートイベント関係なく楽しそうな喫茶店だった

 

えび匠 津多屋

こどもアーティスト

上から「ハンバーガー」「雨」「耳」とギリギリわかる抽象画っぽかった

 

大野海水浴場

鎌倉時代にここに訪れた鴨長明が詩の中で「ゆあみ(潮湯治)」という言葉を使ったことから「世界最古の海水浴場」と言われている海岸。ちなみに今も海水浴場として現役

大野芸術祭エリア内の5か所にこの文章作品が散らばっていて、その物語に出てくる登場人物のそれぞれ視点が楽しめる。物語の舞台はこの大野町になっていて、さっき通りかかった場所が物語に出てきたりするのも面白かった

 

とびらびと

土日営業で食事、喫茶、飲酒と懐深めなメニューがあるお店

ここも古民家利用。インテリアも古いモノばかりで昭和の雰囲気

こづゆ麺(850円)※週替わり麺

福島会津の郷土料理「こづゆ」にラーメンとそうめんの間のような麺が入った料理。具だくさんでそれぞれがうまい具合に主張していておいしかった。あと付け合わせの漬物的なものがピリリと辛くてびっくりした(自分は凄く好きな味)

特製ポークハヤシ

野菜がゴロゴロ。ハヤシと言いつつけっこうカレーに近い味を感じた

ミャンマーコーヒー(450円)

酸味と苦さが抑えられて、香りと深い味をダイレクトに感じられる素直なおいしさのコーヒー。独特の形の焼き物カップも良い!

 

まとめ

開催初日の午前早くに行った事もあり、いくつかの会場は作品の設営や案内の設置でバタバタ気味。でも小さな町でのイベントということもあり、そういう手作り感も含めて楽しめた

それぞれの会場の都合上どれかの展示はお休みになっていて(開催終盤の2日間以外)1日では全部の作品は見られないスケジュール。なのでよくあるアートイベントでの「全作品を観なければ」という考えは最初からなくなり「観られるものだけ観ればいい」という開き直り的な思考が生まれた

これがかえって”気楽さ”を生んで「ブラブラまちを歩いてブラブラ作品を観る」という楽しいアート観賞の状態を作り出していたように感じる。町歩きとアート観賞をこのバランスで楽しめるイベントは意外と珍しい

作品が少なめで運営の規模も小さいのは、来場者によっては好み分かれるかもしれないけれど、こと”気楽に楽しむ”という点においてはどんなアートイベントよりも大成功しているイベントだといえる!

 

おまけ(大野町を歩いて心惹かれた景色)