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【写真展で参加】フロアびっしりのフォトゲームブックで出展!『とよたまちなか芸術祭mix』

 

とよたまちなか芸術祭mixとは

2020年から毎年開催している愛知県豊田市の芸術祭で、今回は2023年11月3~5日豊田市職員会館新とよパークなどで開催

気軽にアートに触れられる機会を作ることを目的にしていて今回は40組以上のアーティストによって展示、パフォーマンス、マルシェなどが展開された

 

開会式

豊田市の中心地にある駅前広場「新とよパーク」でレセプションが行われテープカットをしてスタート

開会式と同時に崇化館中学校美術部と田中あつこで墨汁を使ったペインティング作品の制作が進んだ

完成した絵は遊歩道の「緑陰ギャラリー」に展示

 

豊田市職員会館

主に豊田市の職員が会議や部活動などを行うための建物でずいぶん前に建てられたものらしい。レトロな雰囲気がアート作品の展示空間として合っているのだが、レトロすぎてエレベーターが無いのが玉にキズ

室内エリア

和室や会議室のあるエリア。押し入れの中には囲碁将棋やマジック道具なんかがしまってあった

あまのしんたろう

『みんなのてがみ』

写真に文章が付いたストーリー仕立ての作品。それぞれの文末に書かれた「次の行動の選択肢」を自分で選んで物語を進めていくフォトゲームブック形式

今回の物語は”お願い”が書かれた手紙が家に舞い込んだことから始まる

結末は5つあってその全てが物語的に繋がっている構造。途中の分岐もあるから全部の写真を通ろうとすると10分くらいはかかるボリューム

写真はイギリスで撮影したものから抜粋した43点。展示フロアの広さはだいたい6m×14m。次に進む写真をロープで繋いで誘導して、選択肢のあるところはで色分け、選択肢のないところはにした

この作品は2022年2月に「おいでんアート体験フェア」で一度出展したものでその時はもっと広い場所だった。歩けるタイプのフォトゲームブック形式だと今回のこの広さが最小サイズかなと思う。これより狭いと作品の間を通れなくなる

今回のしおり配布数は166枚ネコ石段が人気なのはいつものことだけど、今回はパンダイギリス広場が人気だった

 

小原ペーパーアートファンクラブ

『Obara paper art esquisse』

豊田市小原地区の小原和紙を使った作品展

色のにじみ方がキレイな紙で花びら状にすると魅力増す。紙といってもかなり丈夫みたいでブローチやバッジなどのアクセサリーにもなっていた

 

絵描きびと Rio

『ねこさんとお花』

小原和紙の花と一緒にイラスト調のカラフルな花とネコが展示

 

東村

『みずばのおばけ』

給湯室にしれっと出現。作品プレートが近くにないと見逃しかねないほど環境に馴染んでいた

 

植田百香

「小さいころ遊んだものたちがつくも神になって今も帰りを待っている」というテーマの作品たち。小物と絵が対応している

『およいでいる』

もともと会場にあったと思われるスリッパと作品との共演が絶妙

 

田代智裕

『縁起物万年青と鉢の魅力』

万年青(おもと)という江戸時代から続く伝統的な観葉植物と共に、自ら絵付けした鉢などの作品を展示

今回の展示は「阿吽の龍」シリーズ。龍の描かれた鉢が並んだ

 

伴和憲

『PEAK』

山脈を模した作品。配置的に近いものは小さく遠いものは大きく見えることに意味があるかも

『Othello』

キャプションの位置で8×8の盤面の輪郭を少しだけ示しているのが上手い

 

的場一憲

植物のような内臓のような形をした奇妙なうつわ作品

 

川澄綾子

『飯事』

和紙が主な素材だとは思うんだけど、お餅みたいな生き物みたいな質感が面白かった

 

ロビーエリア

ソファで休憩もできる広い空間にたくさんの作品がズラリ

高木鈴香

『泣く女』

小さな四角い木材を接着させた不思議な作品。カラフルな彩色もあいまって造形的な面白さをまず感じた。けれど作品名は不穏で、解説を読んだ感じモザイク状→匿名的な意味合いがあったりするかも

 

yukalin☆

『The  war of the rainbow color』

直訳すると虹色の戦争。人も虫も植物もみんななかよく、みたいなことだと思う

 

川澄直子

『おだやかな流転』『甘いたまり場』

和紙に化織や金網を組み合わせた作品。黒地に白い和紙が映えていて、その濃淡での繊細な表現が見事

 

ディンプルアートとよた

『サンライズ』

車のフロントガラスに使われてている樹脂を再利用してできた絵の具ディンブルアートカラーを使用、透明で乾くとディンブル(さざ波)模様が浮かび上がるのが特徴とのこと。窓からの光が透過して作品も、その影もキレイな色に

 

青柳健一

『僕』

光の差し込みの表現が大胆で、それに加えて独特の色彩を巧みに使って自分の世界を表現。描かれている自画像が若そうだから美大生か最近の卒業生なのかなと思っていたら、説明文に作者小学4年生とあった

 

筆もじ屋SOU

『嬉』

5点展示されていた文字作品はどれもぬくもり感じる柔らかいものだった。その中でも自分が特に気に入ったのがこの字

 

梶全宏

『野鳥シリーズ』

木彫だと思うんだけどパッと見だと剥製くらい精巧な鳥たちだった

 

梶康子

『ウェルカムボード』『Flower』『クリスマス』

トールペイントという家具や陶器など家にある様々なものに描くスタイルの作品。このクマたちの表情がすごく好き

 

梶千春

新聞紙や段ボールに鉄粉を混ぜた謎素材で作られた作品。見た目は重そうだけど意外と軽いらしい

『ユラユラ』

謎素材ならではの”重さの分からなさ”を逆手に取ったような作品

 

田中あつこ

『壁でつながる豊田市』

もともとある壁の凹凸を使って来場者に模様を描いてもらう作品。3日間かけて徐々にカラフルになっていた

 

森本真由+Tsuda Kentaro

『通行手形』

喫煙室と列車の中を混ぜた空間作品。非喫煙者で女性という作者が「喫煙室にとってのタバコ」「女性専用車両にとっての女性」という2つの通行手形的な権利を疑問視したことを表現

この会場は間近に愛知環状線が走っているため定期的に電車の行き来を感じられて作品世界にマッチしていた

 

ホットレモネードコーナー

ロビーには隣接してバーがあって、そこではレモネードの無料提供が実施。この豊田市職員会館の贅沢なのか質素なのか分からなくなるチグハグな設備のバランスが面白い

バーでの休憩中に感想やコメントを書いてここに貼り付けられるシステム

 

3階エリア

河部圭佑

『River』

豊田にゆかりのある物体を集めて制作したとのこと。階段の上から下に向けて、石→木→綿→糸→紙→金属とだんだんと時代が流れていた

 

TEAM写楽夢

『ピンホールカメラで撮った風景』

カメラ技術の原点ともいえるピンホールカメラの原理が分かる展示。ほんのりぼやけた豊田各所の写真と、牛乳パックで作ったピンホールカメラ

牛乳パックに穴をあけて中にスクリーンを貼ったシンプルなつくり。けっこうしっかり像が浮かび上がっていた

 

つちやみさ

『わいわいぎつねのいたずら』

豊田の拳母地方に残る民話を原作としたアニメーション作品。ナレーションに合わせて独特の色とデザインが動く

ナレーションは作者の実のおじいさんとのことで、自然な三河弁のイントネーションが昔話に合っていた

 

SHIMAYAGI ART

『とよたの建築の記憶×プロジェクター撮影』

豊田市内の「建築」の写真をプロジェクターで壁に映し、その前に立って写真を撮ることで風景に溶け込む。そしてその建築に関する思い出エピソードも添えて完成する作品

 

喜楽亭『とよたアートカフェ』

11月4日にジャズ演奏とお茶会を楽しめるイベントが開催

屋敷の中にはアート作品の展示も

 

新とよパーク『とよたアートパーティー』

11月4日13~19時半にアートグッズの販売音楽&ダンスのイベントが開催

マーケットエリア

作品の販売ブースに加えて体験系のブースもあって、ぐるっと回るだけでも楽しい

夜のライトアップで雰囲気ガラリ

 

ライブエリア

お昼は運営者、出展者、出演者を招いてのラジオライブ

夜はダンスパフォーマンス演奏ライブが展開

 

クロージングイベント

新とよパークで神輿を担いでエンディング。神輿の制作者のアーティスト「このよのはる」のリモートライブを見て完結

 

まとめ

自分の写真展に関しては、広くて見やすい場所だったこともあり好感触な感想を直接聞けて、展示としては上手くいった方だと思う。現状だとフォトゲームブック形式YouTubeで作品化してることが多いけど、広さ確保できるならもっとリアル展示でもやっていいのかもしれない

 

イベント自体に関しては、市民参加型グループ「とよた市民アートプロジェクト」の取り組みということで、気軽に来場できることはもちろん出展者も気軽に参加できるものになっていて狙い通りにいっていた印象

欲を言うならもっともっと出展者が増えて街中のゆく先々でアートがある状態になったらよりまちなか感が出て面白くなりそうだと思った

イベントの参加資格はとてもユルくてこの「とよた市民アートプロジェクト」のメンバーシップに登録して、流れてくるイベント情報に応じて参加の連絡をするだけ。特に豊田市に関係ない人でもOK(現に自分は岡崎市在住で豊田市で働いてるわけでもない)なので、このブログ見てるモノ作り系の方は機会あったらぜひ出展してみてほしい!