- 『とよたまちなか芸術祭2022』とは
- オープニングイベント(10月8日)
- 豊田参合館ロビー・豊田市中央図書館 会場
- T-FACE館 6階 会場
- 豊田市近代の産業とくらし発見館 会場
- Hotel Aunties 会場
- ギャラリーカフェ楽風 会場
- とよしば 会場
- Art Base Coromo 会場
- まとめ
『とよたまちなか芸術祭2022』とは
「豊田市内で気軽にアートに触れる機会を作ること」を目的に開催されるアートイベントで、3回目となる今回は「知の技術」がテーマ
2022年10月8日~30日の期間中、豊田市の市街地各所(常設会場5か所、連携会場11ヵ所)で作品展示やパフォーマンスが展開
オープニングイベント(10月8日)
テープカット
開催初日には豊田参合館前広場にステージが設けられた。まず午前11時には、開幕のテープカットに合わせてみんなでクラッカーを発射
まちなかパフォーマンス
音楽、ダンス、伝統芸能など10組によるプログラムが行われた
辻將成
複数人で踊る静かな感じのブレイクダンスが展開。一緒に見ていたアーティストたちが「ダンスとか分かんないけどこれはカッコいいな」「普通ダンスって音楽を基に踊るけど、そうでないダンスはまたすごい」みたいなこと言ってて、なるほどと思った
とよたブックマーケット
店舗のある本屋、本好きな個人、アーティスト本人など二十組以上の小さな本屋さんが集合
自分もオフィシャルのブースで写真集を販売。最終的に1冊売れた!
豊田参合館ロビー・豊田市中央図書館 会場
あまのしんたろう
写真作品『0:00am-5:00am TOYOTA』
午前0時から午前5時までの時間、豊田市の各所「豊田市街」「スタジアム」「トヨタ本社」「茶畑」「足助(香嵐渓)」周辺を歩き回って、豊田の産業活動が休止している姿を撮影してきた
展示場所は豊田市中央図書館も入っている参合館という建物の5階ロビー部分。約23mのガラス面に32点の写真を並べた
今回はこのガラス面を使うことになってから”低い位置&逆光気味な環境”を生かして真夜中の写真を撮ることに決めた。お客さんが鑑賞する時に”少しかがみながら逆光”で写真を観る事で、撮影時の薄暗い雰囲気に近づけられたはず
深夜の撮影では、普段明るい時に見えていたものが暗くなって見えなくなる替わりに”暗くなったからこそ浮かび上がって見えてくるもの”もあった
今回もしおりカードを無料配布。図書館のビルなのでピッタリなノベルティーだと思う。あと、いつもネコ×ネコのカードがすぐになくなるから、あらかじめ多めに作っておいた
ワークショップの成果発表
9月18日に行われた「豊田を歩いて写真撮ってタイトル付けるワークショップ」の時に参加者が作った写真も同じフロアで展示
バナナ姉妹
『I Live Within』
音楽を聴きながらぼんやりできるスペースを制作。写真奥が音楽を聴くベンチで、写真手前がそれを聞きながら眺めるアート作品
とよたまちなか芸術祭を一気に全部観るのは疲れるので、ここで鑑賞と休憩を兼ねるのがオススメ。
用意されてる音楽は11曲あって全部聴くと28分。音楽はそれぞれ少ない種類の楽器を使った、ちょっと緊張感ある感じのものが多かった
音楽の説明の冊子が。音楽は世の中や自分に起こったこと(ロシアの戦争やマスク社会など)をテーマに作曲しているみたいで、時系列ごとにまとめられていた
さいとうえな
『あぶくぶくぶく』
嗅覚芸術とのこと。洗濯場のシチュエーションで石鹸の匂いを嗅ぐ作品
ブラジャーや魚の尻尾、スリッパがあることから”人魚に成りすましているヒト”が主人公だと予想したけど、全然違うかもしれない
若尾武幸
yo-yoの回転を並べる
”ヨーヨーを投げおろした瞬間”を切り取ってかたちにした作品
Fスターズ
宴ジョイ!竹やり芸術祭
アーティストのFUJII氏とゆかいな仲間たちのグループ。メンバー各々が竹やりをデコレーションし個性を爆発させた展示
「竹やり」といえば、日本の戦争時に最後の防衛手段として一般人が訓練したり、ドラゴンクエスト1で最も弱い武器として登場したりと、今の時代では見ようによっては滑稽にも思える武器
展示では明言されていないが、そういう時代ギャップ的なニュアンスを含んでいるように見えた
泥臭いイメージの武器が、女子アニメの魔法グッズ風に変身
実際には攻撃力変わってないのに、なんとなく強くなってる気がするから不思議
大内紳治
4人のミュージシャンによるセッションを表現
田代智裕
万年青(おもと)という常緑多年草は江戸時代から趣味的な植物として楽しまれていて、この鉢はそれを飾るためのもの。万年青自体は一般人が見たら地味だけれど、鉢とセットで見るとグッと楽しみやすくなるのも魅力
万年青の鉢は3本脚が基本で正面となる面が決まっていて、万年青の生育具合によって”見栄えがいい向き”に毎年ごとに植え替えられる。とはいえ裏面こそしっかり描かれている鉢もあって”正面”が必ずしも作品としての本題でないことも。しっかり全面を見るのが大事
豊森小屋
日々の生活の中にある「想い」と「祈り」を過去の作品とともに表現
竹藪の中にメッセージが潜んでいた
鷹巣由佳
黄、赤、緑、青の各色をテーマにした写真集の展示
例えば黄色の本は、直接的に黄色い写真だけでなく意味上の黄色い写真が含まれているように感じた
津田健太郎
『plain T shirt』
女性が被写体のポートレイト。アナログプリントでしか出ない”何か”を読み取ってほしいとのこと
田原迫華
はじまりのモニュメント
巨大な赤ん坊の頭の作品
下から入ることができる
内側から見る顔も、しっかり顔になっていた。”彫刻の中から「あなた自身」を探るように世界を見てほしい”とのこと
鳥巣貴美子
苔玉のドローイング
豊田市北部の小原地方で作られる小原和紙を使ったドローイング。光の変化を取り込むことで"固有の見え方がない"という仕掛けになっていて「ではこれは何なのか?」という問いを含んだ作品
横田典子
ツチ・ビトー楕円
思い通りにつくりあげることを目指さず、土を自重により変化させることで”作る”というより”生まれる”という行程を経た存在たち。こちらを向いているようでありつつ、窓に広がる豊田の街を眺めているようでもあった。そしてなんかかわいかった
risa takeda
緑豊かな自然や海・川、感情や物語、食べ物の抽象画。明るく淡い色合いが会場の建物にマッチ
つちやみさ
l_co_nimism
人によって捉え方が異なる「石」という存在。そんな彼らの人格ならぬ「石格」を表現していて、「石がSNSを始めた時のアイコン」をイメージした作品
それぞれの石の性格や願望が表れていて、個性的な石が意外と地味目なアイコンにしていたりその逆もあったり
春田美咲
記憶の山
コロナ禍で思うように遠くに行くことが出来なくなったことがきっかけで、記憶の中の光景を描いたという作品。今回は、作者が過去に見た「群馬県中之条町の四万十温泉へ向かう際のバスの車窓から見た美しい風景」を展示
豊田東高等学校
高校の美術部の展示
これ好き
これも好き。せっかくだから作者の名前くらいは書いておいてほしいところ
ポースケ
ポースケ
豊田市で活動している手織り教室に通う40名の合同作品。「ポースケ」はノルウェー語で「復活祭」の意味
吹き抜け側から見る作品もキレイ
作者40名の名前の中にパッっと見で似た名前が多くあって、なんとなく”織り込まれ感”があった
おおはしたくま
窓辺の反復
それぞれの絵に四角い枠(窓)があるイラスト作品
T-FACE館 6階 会場
切り絵師・俊寛
職人をテーマにした切り絵作品
川澄綾子
うわごと
和紙を使った淡い風合いの作品
伊藤正人
ロイヤルブルーという光に弱い万年筆のインクを使った作品。これまでに使い切ってからっぽになったケースたち
豊田の歴史が書かれた「豊田市史」の側面にインクを塗った作品
もりもとくれよん
『枯れていない落ち葉をすくう』
大量の枯れている落ち葉の中から、枯れていない落ち葉をすくう体験型の作品
まずはこの文章を読んで作者がどんな体験をもとにこの作品を作ったかを知る必要がある。長いけど内容は面白いから読んだ方が良い。というかこの作品のメインはこの文章だと思う
豊田市近代の産業とくらし発見館 会場
成田帆花
謝罪エクスプレス
口下手な自分用に役に立つものを作っている作家。今回は謝罪・土下座・退散を同時に行える装置を発明
紫乃~murasakino~
混沌から生まれる、すべては
かつての豊田の主要産業の養蚕になぞらえて、蚕に絡みつく糸とそこから羽ばたこうとするエネルギーを表現したインスタレーション
伊藤刺し子店
刺し子の花ふきん
すべて植物染料で手染めした刺し子糸を使った作品
日下宗隆
豊田自動織機をルーツに持つションヘル織機で織られた布地を使用したオブジェ作品
Hotel Aunties 会場
辻將成
ダンスの映像作品や和紙のドローイング作品などを展示
ギャラリーカフェ楽風 会場
art duo 御目文字
feather to snow -月白-
真っ白な状態の和紙を使った作品。大きくて迫力あるのに紙の儚さがあってすごく見ごたえあった
この会場はカフェ内だから一見入りにくいんだけど、店員さんはよく勝手が分かってて「作品観るだけで何も頼まなくても全然OK」な雰囲気出してくれる
とよしば 会場
この日、公式には「飲食ブース」とだけなっていたけど、通りかかったら子どもたちのバイオリン演奏が行われていた
MOBIUM×豊田市立崇化館中学校
バスにチョークアートがびっしり
このよのはる
旅するひみつきち
うたっておどれる似顔絵ユニットで普段は渋谷新宿で活動していて、よく豊田のアートイベントに出没する
今回は軽トラでの参加で、車をひみつきちに見立ててみんなに絵を描いてもらったり、一緒に遊んだり
実際にこの車で寝泊まりして旅をするとのこと。10月は愛知によく滞在するらしい。偶然見かけることがあるかも
Art Base Coromo 会場
10月8日にオープンしたギャラリーで連携企画が開催。メディアアーティスト嶋田晃士と陶芸家・山岸大祐による作品展示
ギャラリーの場所は桜城址公園のとなりのビルの2階。入り口が小さくて階段が急で、まだ知る人ぞ知る存在
桜城址公園にも山岸大祐の陶芸作品が展示。部分的に銅のうわぐすりを使うことで「金属と土」→「文明と自然」→「産業と人」といった対比が発生
まとめ
連携企画の方はまだまわれていないところがあるけど、自分が観た限りの作品は全部掲載。直接作家から話聞いたり以前の作品を知っているモノはコメント詳しめで、初めて見る作家の作品はコメント淡泊めなのは、ご理解をお願いします
まあ、ここの紹介で見るより直接見た方が楽しめる作品が多いのは確かなので、ぜひ豊田に行って観てみて下さい!