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知らないうちに”西尾らしさ”も楽しめていた『にしおまちなか芸術祭』

にしおまちなか芸術祭とは

2022年9月23~25日に愛知県西尾市の中心市街地で行われたアートイベント。16名のアーティストがお寺や店舗、空き家など”まちなか”の10か所でアート作品を展示した

かたちとしては「西尾市文化振興イベント2022」という企画の中の一部のようで、開催日にはアートイベントだけでなくライブステージやマルシェなども同時に行われていた

 

『西尾城絵巻』水野加奈子(西尾市資料館)

西尾の歴史を伝える西尾市資料館の入口での展示。歴史画そのままの画風だったから、この場所にマッチしすぎていて最初は常設の展示物かと思ってしまった

 

『違和感 あるいは、調和』高橋健太朗(旧近衛亭・庭園)

普段は落ち着いた雰囲気の庭園がちょっと華やかで楽しい景色に

『軸-宇20220922-25』神田毎実(旧近衛亭・大広間)

こちらも奇妙な色の組み合わせが”不思議空間”を作り出していた

『対峙するいのち』土屋祐加(旧近衛亭・茶室)

ワシトラが対峙した作品。茶室の雰囲気に作品のサイズ感が妙に合ってて、いい緊張感を生み出してた

 

『ミルポワ』竹内舞(尚古荘・休憩所東屋)

昭和初期に作られた広い庭園での展示。ここに住む謎の野生生物か、謎の精霊か

『成』尾崎遥(尚古荘・庭園)

庭園にポツンとあって初見時はギョッとした。インパクトあるだけにこの作品についてはもうちょっと説明文みたいなものがほしかった

『まにまに』今川理恵(尚古荘・不言庵)

生活用品と生物の間のような者たち。みんなでなんとなく円形に列を作っていてかわいい

 

『small daily diary』佐野友美(NINIGII ※ウェアと帽子の店)

お店のショーウィンドウらしき場所での展示。 タイトル訳すと「小さな毎日の日記」パーソナルな内容そうで、せっかくだから説明書きがほしいところ

 

『光は内側から来る』近藤佳那子(上田家具)

趣あるビルの1階での展示。絵画作品が数枚だと、自分にはうまく作家の意図が掴めないからこちらも軽く説明欲しかった

『suburbs』古畑大気(上田家具)

タイトルの「suburbs」の意味は郊外

 

『さざ波立つ』坂井智也(康全寺・禅堂)

部屋の手前が宇宙を表していて奥が自分の内面、みたいな感じの説明書きがあってすごく腑に落ちた

 

『ちいさな日常』片浦真希(旧ふもとや ※八百屋)

一つの部屋に彫刻、絵画、スケッチ、詩が散りばめられていて、ひとりの作家の頭の中に入り込んでしまったような空間だった

 

『UFO Art Book Shop』占部史人(唯法寺)

たくさんの作家のアートブック作品をお寺の中で販売すること自体がアートな作品

 

『はと』小林真依(はと屋・資料館ギャラリー)

西尾市の味噌蔵「はと屋」での展示ということで、そのまま「鳩」をテーマにしたアニメーション作品。Youtubeに当日の作品があった

 

『NetflixにもAamzon primeにもなかったからGEOでレンタルした『人生劇場』のDVDがある部屋』丸山のどか(竜神ひろば)

公園の広場に堂々と置かれた作品。電子機器は紙か何かで上手く作られていて”DVD版「人生劇場」は架空の作品ですよ”ということを、わざわざニセモノの機材が裏付けしているような関係性が面白かった

 

会場までの道で気になったモノたち

右が子豚だとするなら左は子牛。 右がマンボウだとするなら左は……ミル貝かな。

情報過多なカンジが好き

西尾市街地は建物の文字情報多い気がする

壁の絵もキテる!

レントゲンで指の数を確かめる

この店は5年くらい前に閉店とのこと。逆に言うと平成29年まで現役だったわけか

ここはまだ現役!

わりと大きな道端でもちょくちょくダイナミックな景色みられる

同じオトコを取り合った仲

まとめ

作品全部観るのに、急ぎ気味でまわって所要時間90分くらい

長い説明文なくても、観る人が各自の解釈で楽しめる作品が多かったのがまず良かった。また”作品”と”展示場所”との関係がそれぞれ練られていて、禅堂にマッチした『さざ波たつ』や、あえてミスマッチを狙った『違和感 あるいは、調和』は特に効果的な関係性だと感じた

 

それとは別に、各展示会場を目指してマップを見ながら西尾のまちを巡るだけでもかなり楽しかった。入り組んだ場所もあってちょっとした冒険感がいい!

道中のまちなみは、昭和の建物が多く残っていてレトロ且つ個性満載。けれど文化財として保存するほどには古くないので、すぐにでも建て替えられてしまいそうな”儚さ”がまた心惹かれる

この風景が絶妙なバランスで残っているまちは珍しいはず。これを”西尾らしさ”と捉えるとグッと趣深く感じて、特にイベントやお祭りをやってない普通の日にもこのまちを歩いてみたくなった!