『sebone』とは
愛知県豊橋市で2021年12月11日&12日に開催された「とよはし都市型アートイベントsebone」
中心市街地を流れる用水路の上に建つ「水上ビル」周辺を使って行われるアートイベントで初回の2004年から数えて今年で18回目
今回はコロナの影響で例年の”夏の終わり”ではなく”冬”に開かれ、開催両日ともやや気温は低いながらも日中は陽気に恵まれ賑わいを見せた

今回のテーマは「ただいま」
展示&ワークショップ参加がだいたい54組、ステージ参加が17組、キッチンカーが12組、オフィシャルランチ店が2組と、例年以上に多くのアートティストが集まった

展示作品紹介
knohd会場(ノードかいじょう)
あまのしんたろう『シンシロクエスト』
seboneではこれまで”豊橋市近隣の市町村”をテーマに撮影していて、今回は北側に隣接する「新城市」の写真シリーズを展示。まずカフェの入り口付近の屋外外壁にキャッチー写真8枚を展示して、なんとか中に入って作品を見てもらえるよう誘導

カフェ店内の壁面に本編作品として28枚を展示する構成

店内の写真はテーブルで食事しているお客さんと目線が重ならないように170㎝以上の高さに設置。上段写真の上辺は266㎝とかなりの高さ。そのため写真とタイトルのサイズを通常の倍にして見にくくならないように工夫

意外と評判が良かったのが作家年表。生まれてから毎年ごとに「あまのしんたろう」に何があったのかを書いていったもの。”好きなものとの出会い”とか”失敗談”とかが満載。これみればなんとなくどんな人間か分かってもらえるはず

ノベルティーとしてしおりカードを配布。seboneでの1番人気は下段の左から3番目「階段のしおり」だった

nonno glass
耐熱ガラスを使ったアクセサリー作品。2000度の高温で加工するらしい。写真に撮るのが難しいほどの透明度だった

ギャラリーchaos
タイルを小さく割って再加工したインテリア系の作品。古くからあるタイルらしい落ち着いた色合いながら表面はツヤツヤしていて不思議な素材感

ノード会場ではたまに飛び入りの音楽ライブも。写真はブルースハープのモジオ31さん

sebone限定ランチ「骨骨ランチ」
開催日だけの特別メニューで↓写真のプレートにドリンク付いて1000円。手羽元の骨とスペアリブの骨で”骨骨”ということ。やわらか肉がたっぷりで美味しさとコスパ最高だった!

兼藤忍
乳母車でsebone会場を巡る回遊型陶磁造形作品が「カフェ・ノード」の前に

旧中部コイン本店会場
元金券チケット屋という奇妙で面白いビル。sebone会場の中で一番豊橋駅に近いこの建物が副本部的なスポットになっていた。ここで検温&消毒やパンフレットを受け取れる

ただいまボイスプロジェクト
旧中部コイン本店の3階を使っての展示。部屋の感じがノスタルジックで作品とマッチしてた

大勢の「ただいま」「おかえり」の音声が繰り返される空間

たぶん作品ではないと思われる”謎の注意書き”が

みずのうえビル会場
奥中竹代
絹を使った作品展示とその制作作業の実演。自分が見に行った時はこの実演を囲むように7人もの女児が熱心に見学していた

せをはやみ
畳張りの古い建物の窓にちょっと田舎な風景が映し出されている作品。やけに落ち着く空間になっていた

Farmersビル会場
Shiori Yamaguchi
すごくかわいいイラスト作品。狭い階段の途中にあって”ひっそり感”も良かった

愛知大学写真研究会
展示された17作品の中でどれが気に入ったか投票するシステム。自分も気に入ったものに一票入れてみた。最終的に1位になるとどうなるのかは気になるところ

くろやなぎぎんぺい
seboneで毎回独特の空間を作り出している作家。コワくてスゴい作品

ふたり
Farmersビルの屋上にパンフレットに載ってないコーナーが。「背骨になれなかった骨たちを頭にかぶってsebone会場を歩こう」という企画らしい

頭は恥ずかしいから腕で許してもらった

屋上から見る水上ビルはなかなかの景色

水上ビルのいろいろ会場
山口渚
展示会場が階段の部屋だから階段の絵を描いたのではなく、学生時代からもともと階段の絵ばかりを描いていたとのこと。この部屋にはこの絵しかないと思える見事な展示だった

大橋夏実
建物が入り組んだようなものが連なった作品
朗読演劇のパフォーマンスもあって「次に行くべき場所の存在は感じるけど、鍵も扉のありかも分からないからだれでもいいから教えてください」みたいな内容。明確にモヤモヤしてる感じがよかった

alaska highway50
倉庫用の小部屋での映像+音楽作品。こういうスマートな展示、自分もやってみたい

emCAMPAS会場
2021年11月オープンのできたてホヤホヤの複合施設。seboneではまちなか図書館での展示、まちなか広場でのステージ演奏、キッチンカーや本部テントが展開



豊橋工科高校美術部
高いクオリティの造形作品がいくつもあって見ごたえバツグン


花島愛弥
小さい頃からseboneに参加している作家。今年二十歳ということでこれまでの作品に加えて本人写真コーナーもあって、成長記録的な楽しみ方もできる展示だった

コーキ
折り紙作家の折り紙作品。幾何学デザインからハンバーガーなんかのユニークな作品も

外では即興折り紙パフォーマンス。複雑そうな作品の折り方をレクチャーしていた

愛知大学地域政策学部駒木ゼミ研究発表
水上ビルの歴史や近況、今後の展開や課題などを学生たちが発表。ごく短い時間での発表のためか簡潔なレポートだったけど、かえってそれが要点分かりやすくて良かった

ステージ紹介
2日間で17組のアーティストが登場。1組30分の持ち時間でイベント中ほぼずっとステージが稼働していた。※こちらも見れたものだけ抜粋
Cellos Rhyme
数年前のseboneをきっかけに組んで生まれたダブルチェロのユニット。オリジナル曲に加えて何曲かドラゴンクエスト曲をやってくれた。ドラクエ2のシドーのテーマ「死を賭して」は何度聞いても目の前が真っ赤になって好き

堀川シンジ
とにかく味のある歌声。色んな人にいじられる愛されキャラなのも魅力っぽい

THE BRUNCH
ビートルズ曲や、ビートルズがカバーした曲を唄うギターデュオ。ほぼ知ってる曲ばかりで楽しく聴けた
ステージのトリだったのですっかり陽が落ちてイイカンジのライトアップに

まとめ
当初9月だった開催予定がコロナで延期されて12月に。ただそのおかげで複合施設emCAMPUSのオープンを待つことができ、ステージ会場や展示会場が確保されてむしろ大きな規模での開催になったような
この新施設の影響で一度はシャッター街になりかけた水上ビルも今では店舗が埋まってきているとのこと。ただ空き店舗が減ったせいで今後のseboneの会場確保が難しくなるというジレンマ的な困った事態も起こっているみたい
運営の方の苦労は増えるかもしれないけど、年を追うごとにカタチが変わるイベントというのも面白そうではある
自分としては来年も出展参加するつもり。どうなっても対応できるよう”壁さえあればどこでも写真展やれる”くらいの準備をしとこうと思う
