2018年2月11日に愛知県西尾市の鳥羽神社で開催された『鳥羽の火祭り』に行ってきた
この祭は約1200年受け継がれていて国の重要無形民俗文化財に指定されているとのこと。しかし昔の記録が焼失しているために由来は謎らしい
メインとなる祭の行事は夜に行われる。5メートルある「すずみ」と呼ばれるたいまつ2基に火をつけて、その燃え盛る「すずみ」の中に入っている「神木」などを、何十人もの男たちが競うように取り出す
本当に危険なので、まず参加者は神社から海まで歩いて移動し、そのまま入水して身を清めるという行事を昼に行う
まつり会場への道に大きな旗が建っていて目印として分かりやすかった
鳥羽神社は小山の中に建っている。普段の旗が立ってない状態だと場所分かりづらそう
屋台はオーソドックスなメニューがひととおり並んでいた
「三河鳥羽の火祭」という名前のお酒の販売コーナーも
これが「すずみ」と呼ばれる大きなたいまつ。東西で2基がくっついて並んでいる。これが燃えるとなると相当大きな炎になりそうなのに、会場は小さめで周りの木々も近い
鳥羽神社の前の広場の様子
クライマックスの火祭りは”20時”
その前にまず”15時”から、火祭りを行う人たちは海で身を清める禊(みそぎ)の儀式を行う
真冬の寒風の中を「ワッショイ」と声を上げながら歩いていく。お酒を飲んだり、大きく体を動かしたりして何とか寒さに立ち向かう
鳥羽神社から海までは1km
この海に入って身を清める
棒を持った先頭集団はまっすぐ海につっこんでいった
身を清めた男たちが海から上がってきた時のために、あらかじめ火を起こしておく
肉眼ではなにやってるか見えないくらい遠くまで入っていった
中間地点で立ち止まってる人は危険防止のためにいるのかも。奥まで行くのと寒さは変わらないからこれはこれで大変そう
数十分間、海で身を清めた後に帰還
無茶苦茶寒くて無茶苦茶熱い、という状況
そしてまた極寒の中を神社まで歩いて帰る
神社まで帰ってきた一同
神男からのあいさつがあり一旦清めの儀式は終了
この4時間後に「火祭り」が行われる。いい場所をキープするため、ここでも寒さとの戦いが始まっていた
自分はこの間、西尾市街地まで行ってショッピングモールでぬくぬく買い物して数時間を過ごした。4時間後、再び鳥羽神社に帰ってみるとさらに寒くなっていた
神社の入口に消防車がスタンバイ。この祭のヤバさがすぐ分かる光景
神社の境内には多くの人が集まってきていた
初めてなのでベストポジションは勘で。今回はすずみを下側から観る位置に陣取ってみた
種火をつける儀式では、常にゆっくりとした拍子木の音がしていた。この音が速くなると”火がついた合図”とのこと
火打石で着火を行うのでしばらく時間がかかったけど、小さな火がついたように見えた瞬間にはすぐに大きな炎になっていった
頭巾をかぶった男たち(通称「ネコ」と呼ばれる)が、手にたいまつをもってハシゴを上りすずみの上の方に火をつけていく
いろんな角度から一気に火をつけていきすずみはすぐに燃え上がった
写真右下ではハシゴを上ってすずみを崩していくネコが
客席まで火の粉がじゃんじゃん飛んできていた
一気に周りが煙に包まれたかと思うと、すぐにまたハッキリ炎が見えたりして様々な様相がみられた。この炎の状態で今年の天候や豊凶を占うとのこと。”煙が多い”と雨が多いとか、”炎が巻いている”と台風が多いとか
東西2基あるすずみの中に入っている「神木」と「十二縄」というものを取り出すのが最終的な目的。最後はみんなで力を合わせて引っ張り出して、神社の拝殿に持っていって「火祭り」は終了する
これが「十二縄」
これが「神木」
火祭りが終わった後も炎は消えない
まとめ
「天下の奇祭」の名にふさわしい、想像以上に危険でおもしろい祭だった
やってることの凄まじさに対して、お客さんはそこまで多くないので、お祭りギリギリに行っても十分いい場所で見られるのもイイところ。車で行っても駐車場あるし、電車でも行ける場所。こんなお手軽にとんでもないもの見られるなんて本当にスゴイ。これから夜の部の火祭りは毎年観に行こうと思う!
行きやすくて観やすくてめちゃくちゃおもしろい完璧な祭。とてもオススメ!