【レジャー施設グルメ&写真旅】フォトグラファーあまのしんたろう『ヤミーアートブログ』

【まち撮り系写真家】が送る日本のスナップ写真ブログ「無名の町の路上観察」から「有名イベント」まで筆者体感の物事を現代アートなアプローチで面白い世界に!常にカメラ持ち歩く人に共感貰えそうで特にオススメ|愛知県岡崎市出身★第5回写真出版賞・最優秀賞

ヤミーアートミュージャム

次回に繋がる攻略情報!『亀山トリエンナーレ2024』見どころと注意点

2024年10月27日~11月16日(10時~17時)に三重県亀山市で開催のアートイベント『亀山トリエンナーレ』

81組のアーティストが亀山市内の30ヵ所で展示するという、かなりの規模を誇るアートイベント。今回は自分も写真作家として参加、開催初日の10月27日にほぼすべての作品を観てきたので、ここではその中から抜粋して紹介する!

(もちろんこれ以外にも面白い作品たくさんあるんだけど、現物を観て考察を楽しむのがアートの醍醐味だったりするので、そちらはぜひ現地で初対面してほしい)

 

 

亀山市東町商店街エリア

今田家シャッター

『かめやましない10かいあるく』あまのしんたろう

亀山市内を10回撮影に訪れ、電車やバスを駆使して可能な限り広い範囲を歩いてオモシロ風景を集め、それぞれにタイトルを付けた作品

見やすさ分かりやすさを心がけつつ、ちょっとしたクイズ要素が混ざったものになった

今回は三重県で初の展示という事もあり、目にとまりやすいよう意識して彩度高くして鮮やかでSNS写真的な見栄えにしてみた。なので写真一枚一枚の”キレイさ”はあったと思う

ただその反面、写真が現実離れした印象になる場合もあって「写真という真実に空想的なタイトルを付けて楽しんでもらう」という自分の狙いからズレることになっていないか葛藤があった(現実離れしたモノに空想要素を足しても意味がない?みたいな)

暗くなってくるとアーケードのライトが良い具合に照らしてくれていた

商店街の通りにある屋外作品なので、イベントの開催時間に関係なく観られるのは良いところ。ここを早朝か夕方以降に観るようにすれば、他をまわるのに時間的余裕ができるはず

 

法因寺

『巡りめぐってまたここで会いましょう。』森本紗月

奇妙なハッピー感じる作品。お寺の入り口に展示されているのもインド繋がりを連想させる

 

阿部家

『chapter 2』中林晴香

この家にあったバケツを使って育てた植物たち。枯れた後はホウキの材料になるとのこと。奥の窓の景色はほぼ崖で、板張りの床を歩いて作品に近づいていくと窓に吸い込まれるような感覚を味わった(実際に傾いていたのかも)

 

東町ふれあい広場

『妖精迷宮』ピカソ・スイッチ

公園の休憩スペースと融合したような作品。2つの出入り口があり、この建物の中に入っていくとちょっとした迷宮を味わえる

内側の壁には各所に覗き穴があってそこから色々な”小さな世界”が見られる。かなり低い位置のものもあって子どもも楽しめるようになっていた

壁面は中も外もカワイイ装飾や作品がついていた。天井はもともとの休憩所のままでイイ具合に枝葉が広がっていた。昼でも少し暗くなっていて雰囲気あるけど、来られるなら夜の方が断然オススメ。この日は20時くらいまでライトアップしてたみたい

 

小林まる五時計舗

『WATCH DOG』土方英俊

タイトルの「ウォッチドック」は番犬という意味で、展示場所になっている時計屋さんの「ウォッチ」とかかってるはず。王冠をしているということは、いつもは脇役の番犬がこの時ばかりは主役、ということなのかな?

 

崖の上古民家

『の・よう・な・もの』森敏子

このノンビリした場の雰囲気に対して絶妙な馴染み方をしていた。特に写実的に描いてるわけじゃないのにここに溶け込んでいるのは見事

 

山形屋酒店

『生きる』伊藤明淑

自分の認識だと一昔前の「生きる」は「楽しいことする」みたいな意味だったんだけど、最近は「死なないこと」に変わってきてると感じる。ただこの原因が、余裕がなくなってきているからなのか、色んな選択肢が増えすぎているからなのか、それ以外かは判断難しいところ

 

 

亀山宿エリア

偏照寺

『abstract birds』里村英昭

基本は鳥なんだろうけど、観る角度によって全然違う動物に見えたりした。たまたま同じタイミングで居合わせた子どもたちがいろんな動物の名前を挙げていて、最後には「これ鳥じゃないのでは?」みたいな結論に達していた

 

岡田屋本店

伝統製法で作られる調味料や食品、酒を販売するこのお店の、ワインセラー室を使っての展示

『ある満月の夜に』momo・植村胡桃

ワインボトルの先に色んなキャラクターの頭が付いた作品たちが、実際に販売しているワインと一緒に並んでいた。ちなみのこの部屋は室温13度くらいで秋に観るにしては寒い環境なので注意

ヒトのような顔もあれば動物のような顔もあって、まるで指人形みたい。タイトルにある『ある満月の夜に』という演目が始まりそうだった

 

明治天皇行在所

『Inclusive Society ~もこびぃとまおまおとみんなと~』服部奈奈

参加できるどころか、自分も作品の一部になってしまえそう。この3体の関係性も気になるところ

 

加藤家屋敷跡

『遡及空間』中村岳

組み立てられたそれぞれの木にドローイングがされている巨大な作品。一周まわって観てみると、作品そのものを楽しみつつ、その後ろにある背景(民家とか林とか)との交わりも楽しめた

『今日もどこかで生まれてる』黒宮亮介

ゴツゴツ&ブツブツした表面をした恐竜や動物?の作品。土間に置いてある無骨な感じもイイ

自分は馬が好きなのでこの蹄に見える作品がすごく気に入った

『亀山の生命』宮嵜祥子

針金と糸でできている作品とのこと。伝統的な建物の中で、ところ狭しと大きく広がっていて迫力ある

 

西丸歴史広場

『ニシノマル』鈴木良治

木を組み合わせて作られた獣。タイトルの「ニシノマル」は場所にちなんでつけられたこの獣の個体名なのかな

近くで見てもしっかり獣の顔に見えるのは見事

次のお客を待ち構える図。後脚の具合も好き

 

旧舘家住宅

ここだけは入場に500円が必要なので注意

『お江戸謳歌』山田なつみ

和テイストのイラスト風作品で、モノクロで漫画っぽくもありつつ服の模様の緻密さには目を見張る

そしてなんといってもコレが良い!絵画はふつう”触ってはいけないもの”だからこそ、あえて”着る絵画作品”を作ったとのこと。作家が在廊している時ならお客さんも着られるらしい

 

『おやまのつくりかた』MOTU

手の動きをそのまま作品化した3点。一見して素材重視のカッコいいアート作品なのかと思ってたけど、タイトル読んだら一気にノスタルジー感じられてステキだった

 

 

亀山駅エリア

亀山市文化会館 

『崖の上から 何も見えない昼』田村公男

ある意味「これぞ亀山」な風景を切り取った絵画。半年くらい前に移転したお店が描かれていて、これが描かれてから現在までの恐らくそう長くない間にも、まちの風景が変わったことが見てとれるのがまた面白い

『木の声を喰う』浅野暢晴

正面エントランスの前の植え込みで、あぶなく見逃しそうになった作品。もうタイトルそのままでコワカワオモシロい

 

 

関エリア

旧田中家住宅

『When the River Runs Red』WILLIAM NORTON 『愛阿武不逢筋王修』CAKE HARA

二人の作家によるコラボ展示。社会的なメッセージがあるんだろうけど、そういうのをコミカルな表現で伝えているように感じた。あるいは真剣過ぎるが故に出てくるコミカルなのかもしれない

 

『君恋し / Love for you』花澄

この作家は写真家で今回セルフポートレート作品なんだけど、その被写体となる本人は俳優・ナレーター業をしているとのこと。こうなってくるといつかスライドショーに声を充ててもらって、すべての才能をフル活用したものも見てみたくなる

暗く締め切った部屋にライトを駆使した展示で、インスタレーション作品と言っても良さそう。写真ごとに進むストーリーを想像するのもおもしろい

 

『水の記憶』野口翠漣

水に見立てたであろう皿が、井戸や雨どいなどから流れ出ている作品。足元や側溝にたまったりしてて「水って個体だったら存在感あるなあ」と思った

 

百六里庭

『時と場所を超えてやってきたが、僕にはずいぶん新しいようだ』山田風雅

関宿の公共の休憩スポットに恐竜が。入口の門ごしにかなり遠くから見えるから、アートイベントだと分かってないお客さんは特に驚いていた

 

坂下エリア

鈴鹿峠自然の家

中庭には作品らしきものが

 

『小さな学び舎』長縄巧太郎

小さな学び舎の会場に現れたさらに小さな学び舎

この環境、自分は集中しやすいと思ってるけど、苦手な人は苦手な環境かも

 

『森の声』倉岡としえ 『森を歩く』森敏子

左右の壁と机に絵画作品が並んだ心地よい空間。ソファーに座るだけで贅沢な時間味わえた

 

 

展示会場をまわる際の注意点

全ての展示会場を電車とバスのみでまわる場合は事前の計画が必要。目安として挙げると亀山~関の電車は1時間に一本くらい、関~坂下の路線バス(月~土)は1日4本、会場巡回バス(土日祝)が1日3本。上手くいけば1日でいけるだろうけど、余裕を持ってまわるなら2回に分ける手もあり

あとこれは見落とされがちな超重大ポイントで、商店街エリア以外の多くの会場では靴を脱がないといけないという点を伝えておきたい。同じ場所内でも何度も着脱するケースがあって、いま頭の中で数えたところ全部で11回あった。脱ぎやすく履きやすい靴を強くおススメしたい

まとめ

今回の出展にあたって運営側からは「基本的に説明キャプションは禁止」というルールが出されていて”作品そのものでお客さんに楽しんでもらう方針”を強く感じた

実際、他のアートイベントに多い”行く先々での長文の精読”を強要をされないのは、多くの作品を次々に巡る上でとても快適だった

その分、意味を読み取れない作品も出てくるわけだけど、それはまあ”分からない系のジャンルの作品”と割り切ればいいと思う。どうしてもヒントが欲しいなら、公式HPにある作家ごとの自己紹介とアーティストステートメントを読めば補足は可能

 

一応”これぞ”っていう作品をあげておくと

『かめやましない10かいあるく』

『ニシノマル』

『おやまのつくりかた』

の3つは、かなり期待値上げて見てもらっても大丈夫

というわけで、これまでに挙げた見どころや注意点を踏まえればより快適に楽しく回れるはず、ぜひ来てみてください!