愛知県名古屋市にある『トヨタ産業技術記念館』に行ってきた
名古屋駅の北にあるこの土地はもともとトヨタグループ発祥の「豊田紡織株式会社本社工場」があった場所。今は赤レンガの建物ごと産業遺産として保存・活用して記念館として使われている
ここには豊田自動織機の「繊維機械館」とトヨタ自動車の「自動車館」大きく分けて2つのエリアがあり、それに加えて子ども用の遊具エリア、レストラン、図書館などの施設もある
トヨタ産業技術記念館の外観
入場料は一般大人500円、中高生300円、小学生200円。敷地の広さや展示物の多さ、スタッフサービスの充実度を考えると、見終わった時には破格の安さに感じるはず
繊維機械館
環状織機
エントランスロビーにトヨタグループ創始者豊田佐吉が1906年に発明した「環状織機」が展示されていた。糸が横に回転して巨大な筒状の布が織り上がっていくという機械
数時間おきに実演稼働が行われる。写真真ん中の斜めになっている部分がうねるように上下して、布が上に上に織られていく。すごい音がするので、これ一台動かすだけで静かだったエントランス空間が急に工場っぽい雰囲気になる
無停止杼換式豊田自動織機(G型)
前に行ったことのある静岡県の「豊田佐吉記念館」でも見た機械。今のトヨタがあるのはこの発明のおかげといってもいいほどのモノ。トヨタグループの中でトヨタ自動車がダントツトップの売り上げを記録している今となっても、豊田自動織機は”聖域”と言われる所以
豊田佐吉直筆の設計図。鉛筆の文字が薄くなっていて何が書いてあるのか分かりにくくなっていた。まあハッキリ書かれててもどういう意味なのか普通に人では分からないんだろうけども
布を織る技術の変遷
建物自体がもともと工場なのでこれだけの数の機械も余裕で並ぶ広さ。各所に解説してくれるスタッフがいて、人の波に乗ればそのまま小さな解説ツアーに参加できる
G型自動織機の集団運転。この風景は実際の工場に近いはず
布のもとになる綿花も展示
奥にある綿の塊でTシャツ千枚以上作れるらしい
なんとなく生物にも見えてくる
近代の織機はメカメカしい。これはこれでカッコいい
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動力の庭
レンガにかこまれた広い中庭。あまりに状態が良いレンガ壁で、逆にテーマパーク的なハリボテ感が出てしまっていた。キレイ過ぎるのも考えもの
中庭にあった煙突基礎遺構。煙突の根っこ部分はこんなに分厚いものなんだなあ
自動車館
自動車事業創業期
数時間毎に行われる”予約制のガイドツアー”というのもあるんだけど、これは違うみたい。繊維機械館でもあったように、ある程度お客さんの波が来たら始まるようなガイドだと思う
普通に回っていてもこういうのにすぐ遭遇するとなると、けっこうなペースでやっているってことなのかな。設備に力入れるのは分かるんだけど、こういうサービスにも力を入れているのは本当にすごい
当時の開発の再現模型が超リアル。この再現模型を作ること自体がもう凄そう。”そっち側の制作風景”も見てみたい
A1型試作乗用車のボディー。トヨタ自動車初の量産乗用車トヨダ・AA型乗用車の試作で、この段階では前の部分が丸っこい。エンジンの形状とかカッコよさの兼ね合いで販売用のモノは少し角ばらせたのかな
建物の中に建物
車は縦にするとめちゃくちゃ大きく感じる
トヨダ・トラック(G1型) 佐藤浩市主演のドラマ「LEADERS リーダーズ」にも出てきたトラック。ドラマのおかげでめちゃめちゃシャフトが折れるイメージなんだけど、あながち間違ってないらしい
自動車生産技術の変遷
自動車部品を作る機械がビッシリ。もしかしてここの機械だけでも自動車作れちゃうかも
こちらでもリアルな人形が働いていた
ボタンを押すと巨大な機械が動いてくれる。他人が動かしたのを見るよりも、自分でボタンを押した方が「自分が動かしてる!」っていう充実感がある
この館で最も大掛かりな仕掛け。ボタン一つで天井と側面が一気に組み立てられていく
↓
安全技術の変遷
衝突実験後の車。ある程度クシャッとなった方が中のヒトの衝撃は抑えられるはず
中に入る人間役も進化しているらしい
テクノランド
繊維機械や自動車に関係したオリジナル遊具で遊んで学べるエリア。子ども向けの場所でワクワクする光づかいだった
テクノサーキット。床に映る自分の光を追いかけて安全でスムーズな運転を学べる遊具。観ているだけでキレイ
ミッションでミッション。ギアをタイミングよく選んでマーカーと並走して指定された走り方を目指す遊具
機織りマシーン。左の人力ふみ車を回すと、正面に布が織れていく様子が映し出される遊具
トヨタコレクション企画展「100年前のオーディオ~蓄音器が買えた音楽の愉しみ~」
企画展は年に3回くらいのペースで変わるみたい。今回行った時は古い蓄音機の展示だった
細かいところは金属でそれ以外は木製の蓄音機。ラッパの部分が木製だと花っぽく見えてカワイイ
ビクターのマークの模型。このニッパーという犬は亡くなった主人の声を聴いているらしい
名古屋らしいチョイス!
企画展イベント「サウンドオブ蓄音機」
円筒式蓄音機という古い機械でお客さんの声を録音してすぐに再生していた。再生時の雑音がすごいから大声で録音しないといけないのが難点であり長所。元気な子どもにはうってつけの出し物だった
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ミュージアムショップ
”観光してきました的なお土産”もおさえつつ、自分用に欲しくなるような”トヨタグッズ”が満載
自動車館に並んでいた車のプラモデルも買える。このプラモデルで満足できなければ実物を買うこともできるのが車のいいところ(一昔前のやつならかなり安く買えるはず、大昔のやつはとんでもない値段かも)
この記念館にある機械で織られた布を使った商品たち。農作物だとよく見かける”生産者の顔が見える商品”の波がここにも。でも”生産者の顔が見える工業製品”は珍しいはず
買わなかったけど、ものすごく惹かれた商品がこれ「リバーシブル前掛け(税込み5220円)」 一方の面が豊田自動織機のG型自動織機でカッコいい
もう一方がトヨタ自動車のトヨダAA型でカワイイ
ここの名物とも言っていいお土産トヨタ博物館カレー。基本の6種類に加えて上の段に2種類のカレーもあった
この商品はトヨタ産業記念館には本格レストランが併設されていてそこで作られていたものをレトルト化したモノ。でも現在のレストランのHPを見た感じではカレーの販売がされてない時期のようなので、このカレーを”本家博物館カレー”と言っても良さそう
まとめ
500円の入場料に騙されて軽い気持ちでここに入ると、そのボリュームと内容の濃さにえらい目に会う。しっかり見ようとすると4時間くらいは必要だと思う
100%楽しむには充分に見学時間を作って心の準備をして行くべき!それか、一度に見るのは半分くらいにしておいて2回に分けて見学するという手もいいかもしれない
とにかく膨大な量の機械と産業に関する情報量で内容自体は文句なくオススメ!ぜひしっかりお出かけの計画を立てたうえで行ってほしいスポット!