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絵柄に騙されるシリアスすぎる作品『みどりのマキバオー』レビュー

『みどりのマキバオー』をテレビ版とマンガ版、両方鑑賞してみた

有名な作品なのでけっこう知っている人は多いと思うけど、一応かんたんなあらすじ

犬と豚の間みたいな体で生まれた競走馬の"ミドリマキバオー"が森で出会った親分ネズミの”チュウ兵衛”、落馬のトラウマのため大きな馬に乗れなくなった騎手”山本菅助”、ハードトレーニングで馬を壊すと噂されている調教師らとともに、宿敵カスケードに立ち向かう物語



テレビとマンガでは設定が異なっているところがあって、まずテレビ版にはマンガ版にはいない牧童「まさる君」というキャラがいる

テレビ版がマキバオーをまさる君から見た視点で描いている部分が多いのに対して、マンガ版はマキバオー自身の視点で描いている部分が多い

そのせいで宿敵カスケードの印象が見ている側としては変わってきて、テレビ版だと"いつも良い勝負をするライバル"なのに対し、マンガ版の方は"どうしても勝てない相手"と感じると思う


また、決定的な違いとして(ネタバレだけど)ダービーでの"チュウ兵衛の死"がある。マンガ版では死んでしまうが、テレビ版では死なずに重傷という事でそのまま調教のアドバイスなんかをして、その後も勝利を分かち合ったりする

 

作品のオススメポイントはたくさんあって、まずは「カスケードvsピーターⅡのマッチレース」が印象的。スタミナにモノをいわせた馬”ピーターⅡ”の高速低速を繰り返す走法と、それを打破しようとするカスケードの走りがいい

 

次に、競馬場でのマキバオーとカスケードの初対決となる「朝日杯三歳ステークス戦での最後の直線」ギリギリの体力で精神だけで走っているマキバオーに対する、騎手山本菅助のムチの連打のシーン

実はこの作品の中で、一番成長が描かれているのは山本菅助だと思う。この作品のクライマックスと言っても良いダービーでは、今までレースではたいして役に立っていなかった菅助が、マキバオーの体の一部となって文字通り一緒になって走るようになる。
最初に登場した時はてっきり”適当に描いた普通キャラ”かと思っていたので、その急成長にぶりに驚いた

 

そして、カスケードの引退レースとなる「有馬記念」不治の病に苦しみながらも最後の直線先頭に立つカスケードを抜き去った後も、幻のカスケードを追いかけてゴールでとらえるシーン

このとき、菅助の口調が突然に乱暴になる。これは、いなくなったチュウ兵衛の想いをのせるあまり乗りうつったようになったからなんだけど、ここで問題が

テレビ版ではチュウ兵衛は生きているので、マンガ版のような”チュウ兵衛を示唆するような表現”がなく、ただ口調が乱暴になっただけということになってしまっていた

しかしこれはこれで、普段は優しい菅助がマキバオーに勝る闘志でカスケードに立ち向かっているようで鬼気迫るシーンになっていて、意外にも別の良さが出て素晴らしい表現になっているような気もした



まだ見たことない人にはぜひ見ることをオススメしたい!

どちらかというならテレビ版を先に見てからマンガ版を見るのがいいかも

マキバオーの絵からして”ふざけたマンガ”に見えるかもしれないけれど、実際はそれぞれの生き様や信念を真剣に描いたどちらかと言うと”シリアスな作品”だと思う

本当にオススメ!

 

※最後に、個人的にすきなシーンを紹介。それはツァビデルが早い段階でベアナックルを日本最強馬かもしれないと発言するところ。その時は冗談風だけど意外と正しいこと言っててドキッとする

そして、個人的気になる馬は”アポー”。この馬には同情はするけど”だからってなんだよ!”って感じでモヤモヤして、結局救われたのかうやむやな感じに惹かれる
ぜひこのあたりも注意して見てみてほしい

 

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